キャッシュレス

【解説】世界のキャッシュレス決済の動向

2019-09-18

こんにちは、凪ぶろぐ管理人の凪です。

今日は先日の日経新聞で「中国スマホ決済、止まらぬ進化 年3000兆円規模に(※有料会員記事)」という記事を見たので、にわかキャッシュレス大好き人間な僕なりに、キャッシュレスに興味がない人にも分かりやすいように記事の解説と世界のキャッシュレス事情について書いていきたいと思います。

中国のスマホ決済について

中国のスマホ決済の規模

中国でのキャッシュレス規模は2013年から比較すると爆発的に増加していて、2019年には3000兆円規模にまで増加する予想が出ています。

一方で、ICT総研によると2018年度に日本でスマホを使ったキャッシュレス決済額は1.1兆円程度との見込みです。人口の違いがあるので単純比較はできませんが、それを差しおいても差は歴然ですね。

支払い機能だけじゃない!中国のスマホ決済

中国版amazonこと『アリババ』が提供しているスマホ決済サービス『アリペイ』ではスマホ決済と保険証、顔データを紐づけることにより、診療予約から診療結果の保存、支払いまでをアリペイのアプリだけで完結されます。

その他にも、タクシー、ホテル、映画チケットの予約や購入が出来たり、資産運用商品の購入までもが一つのアプリから行うことができ、今や『生活必需品アプリ』と呼ばれています。

さらに、『アリペイ』に搭載されている『芝麻信用(ごましんよう)』のAIを使って利用者の信用度合いがスコア化されます

スコアの採点には『学歴』や『勤務先』『資産』等のデータを用いており、このスコアによって保証金が不要になったり、ローンの金利が優遇されたりという様々な特典が受けられるそうです。

まさにアリババのテクノロジーが可能にした近未来型個人データ管理社会という感じですね。(;'∀')

中国でスマホ決済が普及された背景

中国では元々現金を使うことによる、偽札や脱税等の問題があったり、紙幣の印刷、流通に関わるコスト面での課題がありました。

又、2000年以前には決済システムやルールの整備がされていませんでしたが、2002年に中国国内の金融機関によって共同で設立された『銀聯』によって、金融機関間の決済システム、ルールの標準化、オンラインネットワークの整備が行われました。

そんな中、2004年に前述の『アリペイ』が登場して今日の普及率に至っています。

余談ですが、『アリペイ』はもともとオンラインショッピングでの不安解消の為の『エスクロー機能』を有するものとして登場したそうです。

※『エスクロー』とは、例えばオンラインショッピングで出品者と購入者間でやり取りをする際に、支払い金額を第三者が一時的に預かって、実際に商品が購入者のもとに到着されたのを確認してから出品者側への支払いが行われる仕組みのこと。

ココがポイント

  • 中国のキャッシュレス規模は3000兆円近い見込み(日本は1.1兆円)
  • 生活必需品アプリ『アリペイ』でありとあらゆることが可能
  • 過去に現金を使用することによる問題があった為、国をあげてキャッシュレスを推進

世界のキャッシュレス動向

2015年時のデータになりますが、世界のキャッシュレス決済比率の状況を見てみると、韓国がダントツで90%近く、一方日本は18.4%という結果でした。

(引用先)経済産業省データ:キャッシュレス・ビジョン

このグラフを見るとさらに日本がキャッシュレスという分野でどれぐらい遅れをとってしまっているのかが分かりますね(;^ω^)

隣国のクレジットカード大国『韓国』

韓国はキャッシュレスの中でも圧倒的にクレジットカードを使用する比率が高いです。(約8割程度)

元々韓国はキャッシュレス(クレジットカード)促進の作戦として以下のことを実施しておりました。

ココがポイント

  • 1年間のクレジットカード使用料のうち20%が所得控除の対象になる
  • 1000円以上のクレジットカード使用につき1口の宝くじ権利付与
  • 一部条件付きで店側にクレジットカード対応を義務化

又、新しい硬貨の発行や古い硬貨の廃棄にも相当なコストがかかる為、これを減らす目的でもキャッシュレス化がどんどん進んでいっています。

確かに昔僕が韓国に旅行に行ったときも現金よりもクレジットカードを使った方がいいと旅行好きの友人に言われたような気がしますね。

日本でキャッシュレスが浸透しない理由

日本はクレジットカードの普及率もそこまで悪くないし、SUICAに見られるように電子マネーも十分普及しているように思えます。

それなのに上記のグラフで見るように、何故日本のキャッシュレス決済の普及率が世界では遅れをとっているのでしょうか。

そこには日本ならではの理由がありました。

治安がいい!現金を持っていても安心!

世界治安ランキング:2019年度版』でも見られるように、日本は世界的に見ても圧倒的に治安のいい国です。

この治安の良さが故に現金をもっていても安心!という心理が働き中々キャッシュレスに踏み出せないという事情があります。

一方でグラフでキャッシュレス普及率が48.6%で日本より上位にいる『スウェーデン』に関しては、犯罪対策としてキャッシュレス化を進めており、その結果として銀行強盗の発生件数も2008年で年間110件発生していたものが、2015年では年間7件まで激減しております。

店舗側から見たキャッシュレスに踏み出せない理由!

キャッシュレスを導入することにより、お店としては現金を減らせてセキュリティ対策にもなるし、決済スピードがあがる等のメリットもありますが、当然下記のようなデメリットもあります。

キャッシュレス導入のデメリット

  • キャッシュレス導入時にかかるコスト
  • キャッシュレス加盟店として支払う手数料
  • 実際に資金化されるまでのタイムラグ(半月~1ヶ月)

その他にも、今は様々な決済サービスが乱立されていて、それぞれを覚える必要がある為、店員さんの負荷にもつながりますよね。

特に様々な決済サービスを取り入れているコンビニ店員さんは本当に大変だなとしみじみ思います。

消費者側から見たキャッシュレスに踏み出せない理由!

消費者目線から見て、キャッシュレスに踏み出せない理由は主に以下の通り。

  • そもそもキャッシュレスに対応していない店もある
  • キャッシュレスにするとお金を使ってる実感が湧かなくて使いすぎてしまう
  • 電子データでのやり取りなのでセキュリティ上の不安
  • 使いこなせないという不安(特に年配層)

特にセキュリティに関しては最近で言うと某大手コンビニのキャッシュレス決済アプリとかがありましたよね。(;'∀')

今後の日本のキャッシュレス

上記の通り、日本ではまだまだ現金文化というものが拭い去れませんが、将来的に見るとキャッシュレス化に積極的に取り組まなければいけない理由があります。

キャッシュレス化に取り組むべき理由

その1つは『キャッシュレス化に伴う業務量の削減』です。

ご存じの通り、少子高齢化社会で人口が減少することが予想されており、将来的には確実に人手不足な状況になることが考えられます。

それに対する対策としてもキャッシュレス化が有効で、例えばキャッシュレス決済を用いた夜間の無人決済サービス等が挙げられます。

他にも現金を扱うことにより発生する現金管理の工数も削減することが出来ます。

又、もう1つは『訪日外国人の対応』というものもあります。

前述の通り外国ではキャッシュレス化がどんどん進んでいます。

そんな中で2020年の東京オリンピックを迎えて、訪日される外国人が増えても『キャッシュレス決済ができないから買い物を敬遠してしまう』と言うことも想定され、経済産業省では2020年にキャッシュレスが導入されないことによる機会損失は1.2兆円にもなると予想されています。

折角の日本経済活性化のチャンスなのにこれは勿体ないですね。(;'∀')

外国企業に日本のマーケットが奪われる!?

前述したように中国ではアリババによるアリペイが生活必需品アプリとして使われ、生活の基盤になるような環境が整備されています。

ただ一方で、残念ながら日本ではまだそこまでの環境には追い付いていません。

そこに目を付けた、世界の有名なプラットフォーマー(Google、Amazon、Facebook等)が日本の市場に参入しつつあり、国内企業のチャンスを奪いかねない恐れもあります。

目標は2025年までに普及率40%!

経済産業省の出した目標では2025年までに普及率を40%にするとあります。

意外に低いと思うかもしれませんが、日本の置かれている状況を見てみると、現実的な数字なのかもしれないですね。(;'∀')

最後に

いかがでしたでしょうか。

確かにキャッシュレス使う側からしても色々と不安な点はあるかもしれませんが、僕は本格的に使うようになってから数ヶ月、今のところ何不自由なく生活できています。

むしろ、今はいろんなポイント還元サービスもやっていますので、以前に比べて生活にゆとりができたような気もします。

今はYouTubeでも分かりやすい使い方動画もありますし、今後はこのブログでもキャッシュレスに関わるお得な情報なんかも発信していきたいので、みなさんも是非積極的に使ってみましょう!

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元アイドルオタクの初心者ブロガーです。アイドルオタクを引退してからの日常をゆる~く書いていきたいと思います。その他にも投資、節約勉強中です!

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